2009-06-25

アメリカが実用化した「オーロラ」とMHD魚雷-4

「アメリカが実用化した『オーロラ』とMHD魚雷-3の続きです。

前回まで3回にわたって、MHDを応用したアメリカの秘密兵器について紹介してきましたが、ここでその原理を知っておく必要があると思われます。「宇宙人ユミットのプラズマ科学」の「巻末資料」に、「MHD概論」という解説文があったけど、この直訳ライクで図に間違いもある説明では、イマイチ私には理解しにくい。それで、私なりに理解したことを以下に説明してみましょう。

なお、ここの資料には、「オーロラの『点線』の航跡」という記述もあって、「アメリカが実用化した『オーロラ』とMHD魚雷-2」で紹介した、ネヴァダで目撃者が見た「ドーナッツ状」筋について説明しています。それによると、現代のジェット機は、高度による気圧変化へ対応するように可変ノズルを有するけれど、「オーロラ」や「アジャックス」では、(MHD加速器を使用することよるのでしょうけど)ノズルを使うことができないとします。

このため、飛行高度が低かったことから起こる、むかし可変ノズルのなかったころのジェットエンジンを載せた「サンダージェット効果」だということです。ただMHD魚雷については、このエントリー・シリーズの最初に書いたように、深度に応じてノズルが可変になっているということです。また、ここにはUFOのことや、アメリカのステルス機の秘密なども解説されてました。

さて、原理についてなんだけど、同書で紹介されている「沈黙の壁」のマンガでもあれば簡単に理解できそうだけど、それがない。そんなわけで、まず最初にMHD発電の情報をあさってみました。そんで・・・えーと、フレミングの右手ちゃんとかがどうしたっけ?困ったことに、中・高校でも習ったようなことも覚えてない。で、モーター(加速器)は左手でスイッチを入れ、発電機は右手で回す、ってな便利なフレミングの法則の覚え方をまず学んでから(こりゃ見通し暗いな)、なんとか基本原理を理解したんです。私レヴェルのみなさんへの参考として、以下に発電機の図を作っておきました。そして、その簡単な説明もコピペしました。加速器については、図中の抵抗が電源に替わります。

                                  角パイプ         電極(上下)
                                                           磁石

(フレミングの)右手親指は移動する導体方向としてV、人差し指は磁力の方向としてB、中指は誘導電流(電子の移動と逆方向)の方向I(参考書の記述によって各方向の表現方法が異なる場合が多い)。加速器の場合は左手になって、親指は作用する力の方向となる。

MHD発電とは簡単に言うと、ファラデーの電磁誘導を利用した発電方法です。MHD発電は(図1:電磁流体の図)磁場をかけた空間内にプラズマを流す事でプラズマ中の電子にローレンツ力を働かせ、その電子を空間の側部に設けた電極によりとりだす事で電気を作り出す事ができます(以下に図がある)。

ファラデーの電磁誘導の法則: 今、図の様に磁石のN極とS極の間には磁場(B)が生じている。その磁場が発生している空間内に導電体(電気を通しやすい物質のこと)があり、それが手前にある速度(V)で動くと、導電体中の電子に速度Vと磁場の大きさに比例した大きさを持つローレンツ力(F)という力が働き、電子は導電体の右側に動きだす。そこで、その導電体の両端に導線をつなげる事で電子が導線の中を移動し、結果導線中を電流が流れる。これをファラデーの電磁誘導の法則という(以下図がある)。
MHD発電とは?

「オーロラ」に装備されているMHD発電機は、いわゆるオープンサイクルMHD発電のようです。すでに触れたように、極超高速で飛べば、放電によってプラズマになる高速高温の空気流が自動的に得られ、それが「オーロラ」のMHD発電(減速)機のエネルギー源になるというわけでしょう。MHD発電についての情報では、作動流体にセシウム・カリウム・ナトリウムといったアルカリ金属を加えると、比較的低い温度(18002000℃程度)でも高効率になるとされており、MHD魚雷の粉末火薬にセシウムを少々加えた理由が理解できます。また「オーロラ」のケロシン燃料に放電し、炭素を発生させて排気側のMHD加速器の効率を高めるという理由も理解できるでしょう。

                   電極(間隔は数mm100mm?)     超伝導線
                                         同書の図には描かれていない(想像)

                                                   機体上部のMHD発電(減速)機の構造

上の図は、私が理解した「アジャックス」・「オーロラ」の機体上部表面に設置されたMHD発電(減速)機です。導線に電流を流すと磁界を生じることは知ってますか?その導線には、リニア新幹線にも使用しているように、超伝導線を使って効率を高めているようだ。このため隣り合う磁力線の方向が互いに逆方向になります。これによって(+)と(-)の電極間から電力を得るという(プチ氏の試算では300万ボルトの高圧を回収しうるという)。

そして、その電力を使ってノーズや翼のスラットで放電させてプラズマのバリアーを作り、さらに機体後部のエンジン後方に装備された同構造のMHD加速器へ電力供給して、流れを極超音速へ加速するということなんでしょう。なお、具体的なMHD発電/加速機のレイアウトがワカランということなら、「アメリカが実用化した『オーロラ』とMHD魚雷-2」を参照してください。ここで触れた「アジャックス」先端の衝撃波の形状が奇妙だったのも、プラズマ・バリアーのためなのでしょう。

ついでに面白いエピソードが書かれていたので紹介しておきましょう。映画の「レッド・オクトーバーを追え」のことで、例によってハリウッドが「予告」をしていたらしい。つまりプチ氏や多くの人々は、あのソ連原潜がMHD推進だったのではないかと思ったそうです。以下に映画には関係ないけれど、ものの見方についてもうイッコ。

「中国のMHD研究所がどんなものか見たことがおありですか。古い墓地の周りに自転車がたくさんあるだけなんですよ。あなたがたは衛星を使って何を探しているんですか。きちんとした建物の周りに駐車場があって、100台も車が止まっているとでも思っているんでしょう」・・・・この話の教訓は、見えないこととか見ることができないものには注意しろということだろう。

さらに、ここの記述で映画の「インデペンデンス・デイ」のことにも触れているんだけど、「デイ・アフター・トゥモロー」も撮ったその監督の次作品、「2012」の宣伝を、公開半年前なのに早くも始めたようです。以下のサイトの「予告」編で横倒しになった空母、「ジョン・F・ケネディー」のホワイトハウス「帰還」は意味深です。「彼ら」は「天使と悪魔」・「ターミネーター4」と、次々と「予告」のマインド・コントロールに余念がないみたいだ。
2012-オフィシャルサイト

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