2007-04-05

21世紀に大変革は起こるか?-9

有史、いやそれ以前から、支配する者と支配される者達がいました。ローマの王制と帝政がはっきりしているのは簡単にわかるとしても、では共和制についてどうかというと、少数指導者による寡頭政治であり、当然ながら支配階級と被支配階級がありました。階級の最底辺は奴隷でしょう。階級闘争によって主従が入れ替わることがあったとしても、近代の資本家階級と労働者階級へと似たようなその関係が続きました。

共産主義にいたっては、同じ出身階級だったはずなのに、政治局員と普通の市民のあいだでは、まるで貴族階級と平民の関係に戻ったような印象を受けます。一方、奴隷や強制労働について言えば、人権や公民権などによって奴隷制度とその残滓が消えるまで長いあいだ続きました(残念ながら皆さんに関心のある、「性的奴隷」の話なんぞしません)。強制労働などは、いまだにどこかでやられています。ブラジルの北の奥地の農場で違法におこなわれていた強制労働が発覚したのは、ごく最近のことです。

現代になって自由民主主義社会で暮らすようになった我々は、近代的な労使関係によって労働し、資本家になろうと、政治家になろうと、どこで何しようにも表面的、基本的に自由です。しかしながら世界を巨大な一社会と見れば、地域のオヤブンないしボスが権謀術数をつくして利権に群がるように、普段、我々には意識できない「ビッグ・ブラザー」が利権獲得のために、直接的ではないとしても、間接的に世界を支配していると感じられます。

覇権の闇に隠れているなんらかの、例えば巨大な資本と隠然たる政治力やインテリジェンスとなんとかを持った利益集団が、似たような他の利権集団と権力闘争して世界を自分達の思うように動かしていく、といった話は、大方の皆さんにとっては小説か映画でのことで、今日の生活にいそしむ人々にとって関心が起こるのは稀だと思います。このヨタ話を書いている私でさえ、多少のヒマができるまでたいした関心などありませんでした。

ネット内をいろいろツマんでいくうちに、このような利権集団を「闇の権力者」とか「闇の支配者」、と陰謀ヤさん(陰謀マニア)などが通称していることを知りました。身近な利権集団がよからぬことをするのを「闇の権力」と呼ぶのと同じですね。想像すれば、当件に興味をもち、ずっぽりとはまり込んしまったあなたなどは、おびただしいこの手のネット内の記事や出版物を読みあさって楽しんでいるのでしょう。

この類の話にはイスラエルとか朝鮮半島のこともよく出てきます。イスラエルやバルカン半島諸国などは、宗教、民族間の利権と強敵がひしめくなかで生き残るため、あらゆる可能性を駆使して(もちろん陰謀も)動いているのでしょう。モチですね。「ビッグ・ブラザー」の「ハウス」の常連、朝鮮半島諸国にしても、虚偽など屁とも思わない、あの厚かましい態度で執拗に「視聴者」に訴えるのは、歴史的に強国の狭間でゆれてきた背景がそうされるんでしょう。別に寛大になろうということではないのですが、そうやって見れば、言ってることに対していちいち頭に血が上ることなどなくなりますね。

まあ、陰謀ヤさんの諸説については、そのほとんどが預言者の「予言」のごとくヨタ話で終わるんでしょうけれど、こちらの混沌を身近にして暮らす私としては、むしろ積極的にやくざなインボウ説でも参考にしていかねばなりません。善良で平和な環境でのほほんと(失礼)暮らしている別のあなたには、なにかオドロオドロしいことかもしれませんが、このようなことが日常茶飯事に起こりそうなこちらでは、むしろあたりまえな反応と思ってください。

そんなわけで前回の続きの話になります。私には、どうも現在のアジア情勢が第二次世界大戦前夜に似てるような気がします。以下に理由を並べましたので、皆さんで適当にシナリオを書いてください。「ジョン・タイター」や「ショー・ダウン」も参考にして。

本ブログ記述、「コンドラチョフは正しいか? 」を思い出してください。経済については、市場環境が当時と似ているように感じられる。

私には現在の実際的なアメリカ国民の空気がわかりません。しかし中東での失敗から議会での民主党の勢力が強まったことから、アメリカ国民は厭戦的な気分の中にあるのではないかと想像しています。つまり第二次世界大戦前の孤立(モンロー)主義に落ちているのでないか?

この文章をアップしたあと、次の記事を見つけました。興味のある方、検索してみてください。
「中岡望の目からウロコのアメリカ 孤立主義の傾向を強めるアメリカ」

中国について、韓国発の次の記事がありました。真相のほどはなんとも言えませんが、これがもし本当なら、最近多くなった、急拡大する中国の軍事力についての記事を参照し、中国軍部を当時の日本軍部に置き換えれば、指導部の押さえが利かない中国軍部が挑発に乗りやすい状態にあるのではないか?
求心力の低下目立つ胡錦濤主席

アメリカがイランを攻撃するのではないかという観測記事が多いのですが、私としては、陽動作戦としては考えられるけれど、すでにレイム・ダックになったブッシュ政権は、大混乱して込み入ってしまった中東情勢にイランを追加する気などなく、最後の仕事としての関心をアジアに移しているように思えます。

なぜなら温暖化によるアメリカ国内の圧力が強まったため、代替燃料(エタノール)でブラジルと交渉を始めるなど、エネルギー源について石油から他の手段へと関心をシフトしつつあるからで、イスラエルについても、(ネットの情報によると)支援するための強い動機がなくなりつつあると思えるから。マニアのあなた、どう思います。なんですって?見当違いだ?まあいいさ。

続く

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